記事「売上が増えると費用はいくら増える? 変動費と固定費の見分け方」では、売上と一緒に動く費用と、当面は変わらない費用を見分けました。では、この分け方を使うと、売上目標の見え方はどう変わるでしょうか。
100万円増えても、費用の増え方は違う
ここでは二つの架空の会社を比べます。A社は商品を仕入れて売り、B社は自社のスタッフが設備を点検します。どちらも今の人員と設備のままで、売上を100万円増やせるとします。価格や仕事1件あたりの費用は変わりません。以下の割合は説明用の仮定で、業種の平均値ではありません。
同じ100万円の売上増でも、A社は増えた売上の20%、B社は80%が残ります。この「残る額」はまだ利益ではありません。家賃や毎月の給料など、売上が少し増えても変わらない費用を賄うためのお金です。
固定費にあと30万円必要なら
仮に両社とも、今の売上では毎月の固定費をあと30万円分賄えていないとします。売上を100万円増やしても、A社は20万円しか残らず、まだ10万円足りません。B社は80万円残るので、固定費を賄った後に50万円が残ります。
「売上を100万円増やす」だけでは、足りるかどうかは分かりません。 増えた仕事に費用がいくらかかり、固定費にいくら充てられるかを見て、初めて売上目標を考えられます。
自社では、割合より費用の動き方を見る
B社のほうが必ず経営状態がよいわけではありません。もともとの人件費や設備費が大きいかもしれませんし、仕事がさらに増えれば、新たな人員や設備が必要になることもあります。そのときは、今回の計算をそのまま使えません。
まずは自社の商品や仕事を一つ選び、売上が増えると一緒に増える費用を確かめてみてください。中小機構の費用の分け方に関する資料でも、変動費と固定費を分けて売上目標を考える方法が紹介されています。自社の費用の動き方が分かれば、必要な売上増を考える出発点になります。
